マーケティングから考える「婚活市場価値」とは?~その1:価値とは何か?~
婚活は残酷です。
競争にさらされ、年齢で足切りされ、見た目によってはチャンスすらない。
これは、婚活自体が「愛をもって家庭を築けるパートナー探し」の性質だけではなく、
「同じゴールを目指す女性たちの日本全国マラソン大会」の側面をもっているためです。
(しかも正解のわからない無数の道の中から納得のいくゴールを目指すんだから難しさは段違いです)
そんな激ムズHARDモードなマラソン大会を勝ち抜くために、今回は「婚活市場価値」というものをマーケティングの観点から考えていきます。
本日は「そもそも価値とは何か?」です。
価値とは何か?
マーケティングの大家、コトラーは「価値」というものについてこのように言っています。
「価値」とは、知覚された有形および無形のベネフィットと顧客にかかるコストである。
まずここをかみ砕いていきましょう。
それぞれのパートごとに分解していきます。
「知覚された」
=買い手(今回でいうと意中の男性)が認識できること。あなたが自分の生活費の大半を捨て猫を育てるために使っていても、それを知らなければ全くの無意味です。
また、価値観の違う人間同士が考える好き嫌いは必ず異なるものになります。
共通の価値観を持つ人間同士、という前提がここにはあります。
「有形および無形の」
=婚活においては「具体的であるか抽象的であるか」の違いだと思ってください。
例)
具体的=顔が綺麗、スタイルが良い
抽象的=性格が良い、料理が上手
「ベネフィット」
=聞きなれないかも知れませんが、日本語では便益として訳されます。
有名な例え話として、こんな話があります。
「ドリルを買いに来た人が本当に欲しいものはドリルではなく、穴である」
ここでいう穴がベネフィットに当たります。
顧客が抱えている課題に対する問題解決=ベネフィットです。
婚活的に言えば「その人が婚活をする理由を充足させるもの」となります。
美しい女性を一生自分のものにする、という理由であれば具体的なベネフィットが重要になります。
一方で安定した家庭を持つ、親を安心させる等の理由であれば、抽象的なベネフィットのほうが重要ですね。
「顧客にかかるコスト」
=売り出す商品=あなたを買いたい人です。
買うという表現はなんとも微妙ですが、顧客はあなたという商品を「コスト」を支払って手に入れようとしています。
この場合のコストとは単純なお金だけを指しません。
労働によって得られるお金は、過去の時間を数値化したものです。
また今の勤務先に入るためには学歴も関係しているでしょう。言い換えれば、今の勤務先でもらっている給料とは、小さなころからの受験競争に勝ち残ってきた努力にたいする報酬というわけです。
つまり現在のお金は「生まれてきてからの努力の結晶」と言えます。
また、もし結婚することに至った場合、未来の時間をあなたに捧げることになります。TIME is MONEY。現代人にとって時間とは何よりも代えがたいものです。
これらは総じて婚活~結婚をした際のコストと表現できます。
コストとは過去と未来の人生そのものと言えるかも知れません。
【まとめ:価値とは何か?】
ここでもう一度コトラーの言葉を思い出しましょう。
「価値」とは、知覚された有形および無形のベネフィットと顧客にかかるコストである。
ここまでの話を総合すると、
価値とは、「共通の価値観を持つ人間同士で理解できる、具体的or抽象的に相手の欲望を充足させるもの。そしてその裏返しとして相応のコストを払う意味を理解できるもの」。
ということになります。
一般的な意味と、婚活市場における「価値」についてご理解いただけましたでしょうか。
長くなってしまったので一旦この辺で。
次回は、「なぜ市場価値を高める必要があるのか?」というお話になります。